タイトルからドキュン。
「好き嫌い」は簡単な言葉ですが、深い表現であります。
人それぞれ、色々な思考があります。
楠木氏の好きの思考は、共感する所が多くて面白かったです。
すべては「好き嫌い」から始まる/楠木建
楠木建氏は、「好き嫌い」をコンセプトにした本を4冊書いています。
そのうちの一冊「すべては好き嫌いから始まる」。
『すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法』(楠木建/文藝春秋)
好き嫌いの定義
本書のはじめに、「好き嫌い派」宣言があります。
「良し悪し」ではなく、個人の「好き嫌い」に焦点をあて、その仕事の魅力や考え方を探るという切り口は、今までにない斬新な切り口だと思う。
日々の生活をする中で、常に意思決定が要求される。
あなたは良い・悪いで判断する「良し悪し派」?それとも、好き・嫌いで判断する「好き嫌い派」でしょうか?
ネットニュースでお祭り状態になる昨今について考えてみましょう。
「内容の良し悪し」が目的となる事柄について白黒をつけたくなるか、それとも「好きか嫌いか」で考え、「発言するのはその人の自由」と思えるか?
さて、どちらでしょう。
良し悪しで判断しようすると、時に後ろめたい発想も出て、思考がストップしてしまう事もありがちです。
前者の考えでも後者でも、ぜひ読んで頂きたい一冊です。
仕事の適正
仕事を選ぶ場合は究極の選択になる。
もし適性がない仕事にもかかわらず、待遇の良し悪し等で決めてしまったら、実務でかなりの努力が強いられることになる。
好き嫌いで仕事を選んだ場合でも、乗り越えなければならない壁にはぶつかるでしょう。
それぞれに、絶対の解決案などないのは当たり前です。ふいに立ち止まっってしまい堂々巡りに落ち込んでこんしまった時、ページを開くと思考が動く事がある。
気休めですが。
今でこそ偉そうに(ごめんなさい🙇♀️)「好き嫌い」を宣言している著者でも
若かりし頃は、収入面で先が見えない悶々ととした時期がある。
大好きなピーナッツ⁇だったかな、袋入りで二つのメーカーを比べてどちらの方が得かを割り算していた時、奥様とスーパーで出会った時の話を紹介されています。今からは想像つかない可愛らしいエピソードです。
「あーこんな方でも、あるのねえ」と安心した記憶があります。
(※『好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則」』に記述)
「詳細な自己適性のある職場環境が浮上してきた」という考え方に憧れる。
「人にコントロールされるのも、人をコントロールするのも嫌」「仕事で人とシリアスな利害関係を持ちたくない」「文章を書くのが好きで、人に伝えることも好き」などに行きつくと、好き好きのエンジンがかかって爆走しているのが楠木氏の現在である。
脳は「なぜ好きなのか?」を説明できない
人が好きになる理由など、語るのはダサい。
説明がつく条件付きの「好き」は、その条件が崩れた瞬間に「嫌い」になってしまう。
それは、長続きしない「好き」だと言える。
これは、恋に限ったことではないと思う。
脳科学的にも、説明がつかない「好き」の方がより本能的である。仕事の向き不向きもこれに値するとおもう。
しかも、出会った瞬間はロマンチックな「好き」が自分を包み込んでくれるので暖かく感じる。
「あーこれが私の運命の出会いよーー。天職だわ♪」とね。
ただ、痘痕もエクボ。誰しもある後悔。
要注意である。
(笑)
追記:この本は恋愛の指南書ではございません。
見極め
楠木氏は、「センスがある人は、センスがある人にしか見極められない」と言う言葉で表現しています。
「見極めるための試験はありません。試験をしようと思った時点でセンスがない。」
経営者のセンスと担当者のスキルの掛け算で成果が出るのは間違いないので、どちらも大切なのは確かです。ただ、センスとスキルが違うということだけは、わかっておかなければならない。逆にいうと、本当に経営人材の育成まで、センスの分野まで踏み込めるような人事があったら、素晴らしいと思います。
自分にセンスがある!とは口に出して言えない。
スキルも無かった。
しかしながら、無いながらもセンスを伸ばしてくれた「過去に出会った指導者」と、今も支えてもらっている「師匠」にとても感謝しています。
センスがある人は、センスがある人にしか見極められない
スキルは、適切な方法で努力すれば、必ず前よりできるようになります。ところが、センスは違います。努力が足りないとかではなく、向いていないということ。ここの見極めは非常に大切で、向いていない人がやると、すごく苦しくなる。本人も会社も、お互いにいいことがない。とにかく、向いていない人は近づけない。
センスもスキルあり、さらに「好き」が有れば鬼に金棒ですね。
もう少し読み込んで、自分なりの言葉が出てきたら書き足したいと思っています。
好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則
論理的で好きな本です。
読みながらクスッと笑えました。
個人的な感想です。
あとがき
難しい内容も肩の力を抜いた書き方なので、読みやすいのが楠木さんの文体の特徴。
「好き嫌い」はハマりそうなシリーズです。